お盆休みとFourth of July

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皆さんこんにちは。アメリカ大好き自由の番人Oです。

8月に入り、日本ではお盆休みの時期がそろそろやってきます。日本ではゴールデンウィークに続く大型連休ですが、その性質はゴールデンウィークとは少し異なります。お盆休みは一般的に8月15日を中心とした休みになっているかと思います。その8月15日は日本では終戦の日としており、1945年に玉音放送によりポツダム宣言受諾と日本の降伏が昭和天皇によりラジオを通して公表された日です。お盆休みはこの8月15日を中心としている事から先の大戦と関わりがあるかと思っていたのですが、調べてみますと現在のようなお盆休みが定着したのが平安時代頃*との事で、終戦とお盆には直接的な関係は無いようです。*諸説あります


どちらも亡くなった方々を深く偲び、供養する日である事には変わりませんが、不思議な偶然が重なるものだと感じました。


さて一方のアメリカ。少し時間が経ってしまいましたが7月に、1年のうち最も重要な日だと言っても過言ではない日があります。それは7月4日の「独立記念日」です。


日本では全くと言っていいほど馴染みの無いこの独立記念日、アメリカではクリスマスと並んで盛大な盛り上がりになります。花火が打ち上ったり、ショッピングモールではセールを開催したり、星条旗をあしらった服やグッズ等が街を彩ります。(毎年Old NavyのFlag Teeを買ってました)見渡す限りアメリカ一色の風景を見て、「自分は今アメリカに住んでいる!」という事をとても実感したのを覚えています。


「アメリカは自由の国」というのはアメリカを象徴する言葉として広く一般に浸透していると思いますが、その自由を勝ち取った日、自由の起源となる日として、アメリカ人にとって独立記念日というのはとても大切な日です。


アメリカの独立はフレンチインディアン戦争により財政危機に陥ったイギリスが、砂糖法や印紙法で植民地に課税する事でこの事態の解消を狙った事が発端でした。当時植民地であったアメリカはイギリスによるこの重税に対して猛反発しました。特に印紙法は抗議活動が植民地の枠を超えて広がり、「自由の息子達(Sons of Liberty)」と称されるグループが各植民地で結成。ボイコット運動や襲撃事件にも関与するようになりました。


イギリスもこうした反発を受けて印紙法は撤廃したものの、次に茶法を成立させた事により激怒した自由の息子達ら植民地住民がボストン茶会事件を引き起こします。このボストン茶会事件はアメリカの独立運動の中でも特に重要な事件となりました。


ボストン茶会事件について少しだけ補足をします。


イギリスが所有する東インド会社が植民地で独占的にお茶を販売できるようにする為に成立したこの茶法、植民地にお茶を密輸していた密輸業者だけでなく、一般の商人や消費者も東インド会社がお茶を独占販売する事を危惧しました。東インド会社が仲介人を介さず、植民地に直接安価にお茶を販売する事は一見して植民地住民にも恩恵があるように見えますが、既に植民地でお茶を販売してた一般の商人や密輸業者が茶法により自分たちが自由にお茶を販売できなくなると考えた事、そしてイギリスがこの茶法によってフレンチインディアン戦争の負債回収や植民地化の費用を充填しようとしている事に植民地住民が気付いた為、茶法に猛反発しました。

この「うねり」は自由の息子達がボストン港に停泊していた東インド会社所有の船舶に忍び込み、保管されていたお茶を海に投棄するという事件に発展します。イギリスはこのボストン茶会事件に対する措置としてボストン港を封鎖。その結果、植民地住民とイギリスとの間に決定的な軋轢が生まれました。また、ボストン茶会事件前までは植民地側はイギリスからの独立は求めてはいませんでしたが、課税されるが投票権が無いのは不当であるとし、「代表無くして課税なし」というスローガンを掲げてイギリス議会に代議士を送れるようにすべきと植民地側は主張していました。しかしボストン茶会事件を発端にイギリスによるボストン港の封鎖、茶会事件の損害賠償請求等の経済制裁が行われると、ついにボストン近郊でイギリス軍と植民地民兵が衝突。イギリスからの独立戦争が始まるのでした。


話をもっと遡り入植者に焦点を当ててみましょう。

入植者は元々はイギリス人が主でしたが、オランダ人、スウェーデン人、ドイツ人もいました。彼らの多くは経済的な理由と宗教的な理由により新天地を求めてやってきました。16世紀にスペインがアステカやインカを征服しその植民地から膨大な富を得た事により、新天地であれば富を得られる可能性があると信じて。一方で入植者が新天地を目指したのは経済的な理由よりも宗教的な理由の方が大きかったとも言われています。ローマのカトリック、ドイツのプロテスタント、イギリスのイギリス国教会等はいずれも支配階級と癒着し、腐敗した政治と繋がっていました。入植者は神を信じ、宗教の自由を信じ、聖書を手に持ち荒野を開拓し、アメリカを創り上げていきました。そうした自由を信じる人々の血の滲む努力や犠牲の上に成り立ったという歴史を持つ国がアメリカという国です。


こうした文化的な背景もあって、アメリカの自由は偉大な先人達が圧政に屈さず勇敢に戦った結果勝ち取ったものであり、その自由の記念日である独立記念日は、アメリカで最も重要な日であるという話でした。

お盆休みも独立記念日も、いま一度過去に想いを馳せてみては如何でしょうか。

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