復活と春の女神

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皆様こんにちは。 アメリカ大好き自由の番人Oです。

入学式のイラスト「男の子と家族」

新入生や新社会人の皆様、おめでとうございます。初々しい制服姿や晴れ着姿の学生を街中で見かけたり、まだぎこちないスーツの後ろ姿を見ると春が来たんだなと感じます。今年は寒の戻りか4月に入っても寒い日が続いた為か、既に桜は散りつつあります。お花見をするには少し寒く、また新型コロナウィルスの感染対策としても今年もお花見は通勤時に眺めるだけになりそうです。

歩きながらお花見をする人のイラスト(マスクあり)


さて、アメリカではクリスマスと並びキリスト教のお祝いとして非常に需要なイベントが4月にあります。日本ではクリスマスに比べ知名度が圧倒的に少ないですが、2014年に東京ディズニーランドがイースターイベントを始めた事が国内で話題になりました。

遊園地のイラスト「お城・ジェットコースター・観覧車」


日本語では「復活祭」と呼ばれるこのイースター、キリスト教と復活という単語からおおよそ何を祝うイベントなのか検討がつく人も多いのではないでしょうか。


イースターは英語でEasterと書きます。また、PaschaやResurrection Sunday等と呼ばれる事もありますが、Easterが一般的な呼称です。このEaster、当時アメリカにいた頃は気になりませんでしたが、語源を調べました所、ĒastreまたはĒostreという古英語の単語が元になっているようです。Ēostreというのはゲルマン神話に登場する春の女神の名前のようでして、イギリスの土着信仰がもとになっているようです。

女神のイラスト


西暦600年頃にローマ教皇がキリスト教の布教の為、イングランドへ修道士を派遣する事を指示しました。そしてその指示の中には「非キリスト教徒の古い祭や信仰の外形はそのままに、可能な限りキリスト教の儀式や哲学をそれに重ねるように」というものも含まれていたようです。ローマから2年もの歳月をかけ、修道士たちはイギリス南東部のカンタベリーに到着します。そして修道士たちはローマ教皇からの教えの通り、大まかな形は変える事なく、名前や信仰の対象をキリスト教の祭に少しずつ組み替えていきました。


そんな中、とある祭だけは非常に長い歴史を持ち、非キリスト教徒の精神や生活に深く根付いていたものがありました。この祭はキリスト教の祭でも最も重要である復活祭と時期を同じとしていましたが、ローマ教会はその祭の名前を変えキリスト教化しようとしなかったそうです。その祭こそがĒostreを奉るEasterでした。

イースターバニー・イースターうさぎのイラスト


現代では商業イベントとしての側面がほとんどを占めているイースターですが、当初はイエスの復活というキリスト教の祭礼と、春の訪れによる豊穣祈願という土着信仰が入り混じった結果生まれたものだったようです。日本でも夏に花火大会が各地で開かれていますが、元々は死者を弔う為に行われていたものが、現代では商業イベントとして注目されることの方が多くなってしまった事もありますので、時代とともに大義が風化していくことはある意味仕方のないことなのかもしれません。


食べ物や文化が違う国に渡る時、その国の文化や風習に合うよう改修されて広まる事はよくあります。そして元々の国の人々の知らない所で広がる事もよくあります。

カリフォルニアロールのイラスト(4つセット)


もしかしたら日本の文化や食べ物もどこかの国で自分たちが想像しえない形で広まっているかもしれないですね。

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